熊本・大分震災を福岡から支えよう

4月14日に起こった熊本・大分震災にどう立ち向かうか。力と知恵を集めましょう

福岡市による熊本・大分震災への支援(4/19)

9万人の被災者が避難所生活を続ける熊本・大分震災

2016年4月14日に発生した熊本県大分県震源とする群発地震は、熊本県内では4月19日時点で47名の犠牲者、1100名以上の負傷者を出す大きな震災となっています。

そんな中で、クローズアップされはじめているのが自宅を追われて避難所生活を余儀なくされている方々のこと。特に今回の地震では、4月14日の前震では損壊しなかった建物が、4月16日の本震で一気に倒壊し「できれば自宅で夜を過ごしたい」と思っていた方々が犠牲になるという、痛ましい出来事がありました。今後も同程度の地震が起きる可能性が高いとされ、4月19日現在避難生活を送っている9万人を超える被災の方々が安心して帰宅できるめどは立っていません。

避難所への物資の安定供給は、東日本大震災でも大きな課題となりました。今回の熊本・大分震災でも、道路や鉄道の損傷による「物資の流入」よりも、各避難所に必要な物資が届いているかどうかという「供給」で問題が起きつつあります。

そこで立ち上がったのが、九州最大の都市・福岡市です。

 

「福岡方式」は自治体による災害援助の新スタンダードになるか?

今回の震災支援において、福岡市は非常にダイナミックで臨機応変な支援を試みています。このスタイルならば、皆さんが送った物資が集積所に積みっぱなしになることはなく、速やかに必要とされる被災者の手元に届きます。なにか物資を送ろう、というときに二の足を踏んでしまうのがこれではないでしょうか。「これ、ちゃんと必要な人のところに届くの?」「そもそもこれ、余計なものじゃない?要るの?」正直ブログ主も、東日本大震災ではそれが不安で、「現地の避難所に行く!」という人に託したり、Amazonのほしいものリストから送るというやり方に落ち着いてしまいました。確実ではありますが、スピード感に欠ける支援だったのは間違いなく、悔いが残っています。

では、今回の福岡市のやり方はなにが違うのでしょうか。

 

www.city.fukuoka.lg.jp

 

震災発生当初、福岡市も通常の自治体と同様に備蓄していた食料や水を現地に送っていました。しかし17日になると、市民や企業からの支援物資の受け入れをはじめます。この段階で受け入れていたのは「生理用品、おむつ、トイレットペーパー、タオル、毛布ペットボトルの水」。この感じだと、集まったものをとりあえず熊本の集積所にバーンと持っていって、あとはお任せ……そんなふうに見えます。それでも、本来なら市役所が休みのはずの土日に受けつけているだけマシかもしれません。

しかし福岡市は、実際にはものすごいスピードで動いていました。それをはっきりと見せたのが、高島宗一郎市長Facebookでの発信です。

物資の受け入れを開始した17日の午後には、受け入れ現場の詳しい状況を写真入りでアップしています。しかも、

集まった物資は、第一陣をすぐに福岡市の消防のヘリで運びました。また明日のスタート時間である10時までには全て陸路トラックに積み込んで運びますので、今日提供頂いた物資は全て明日には熊本に届きます。

 

という現場感あふれるコメント。「そうか、今日おれが持っていったおむつはもう熊本に向かったのか!」

また福岡市は、市内にある青果市場跡地を救援物資の拠点とするのはどうかと国に提案していましたが、4月17日に国の決定が下りました(※PDF注意 

http://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/53301/1/seikasityoubussikyotenn.pdf

)。この件についても、市長はこう綴っています。

空港にも高速道路にも近い位置にあった青果市場をちょうど統合移転したばかりでしたので、萩生田官房副長官に電話をして、政府の物流拠点として跡地の提供を提案しました。

その後安倍総理から私の携帯に連絡があり、政府の会議で提案をしたいとのお話を頂きました。青果市場跡はまさに青果物流をさばく専門の場所だったわけですから、まさに適地。

その後、河野太郎防災担当大臣から正式に要請の電話がありました。
政府指示のもとで明日から全国からの物資を福岡市に集めて、ここから消防と自衛隊のヘリ、さらに陸路と海路から物資を届けます。

これはすべて、17日のできごと。まさに緊急時ならではのスピード感を感じます。そして実際に19日には第一便としてミネラルウォーター3万本(当初は2万本の予定でした)が搬入され、即日自衛隊のヘリで被災地に届けられました。

この日の投稿はこう締めくくられます。

総理は電話で、熊本まで届けた物資がその先に細やかに届けられないことをとても心配していました。また私のところにも、指定避難所ではないところには物資が届かないという情報も届いています。

熊本の災害本部に問い合わせると、指定避難所だけでも物資が足りていない状況で、さらに指定していない避難所がどこにあるか正確に捕捉できていないということでした。
現地も全力で頑張って頂いていますが、是非、指定していない場所で避難している皆さんを把握して、物資が行き届くように要請しています。

いずれにせよ、市民の皆さんの思いと物資は旧大名小学校。そして全国から集めた大量の物資は政府と連携して旧青果市場を拠点として速やかに被災地に届けられるように全力で取り組みます。

みんなで九州の大切な仲間を絶対に守る!

 熱いですね。41歳の若さと活力を感じます。

 しかしそんな市長の個性だけにはとどまらない問題がここでも指摘されていることがわかります。そう、「被災者のニーズを被災自治体が把握しきれない」という問題です。自治体側も大きなダメージを受けていますし(宇土市八代市などは視聴者の建物自体が損壊し、市役所が機能不全を起こしています)、被災者もそれぞれの事情にあわせて自主的に批難を行っている。これをすべて把握するのは非常に困難です。

そこで、福岡市役所は大胆な手を打ちます。

ということで、長くなったので続きはまた明日。明日になると、福岡市役所が集める物資も変わっているでしょうから、ウェブサイト

のチェックもお忘れなく。